2024.05.01

リアルな課題に立ち向かい、解決策を生み出す

「デザイン思考実践研修」の紹介

TDCソフトでは、様々なUXデザイン関連研修を提供している。今回は、新たな価値を創造・具現化する「デザイン思考実践研修」を紹介する。この研修では、デザイン思考に必要なマインド、基本的な概念を学んだうえで、ワークショップ通じて、実践力を身に付ける研修となっている。

目次

    デザイン思考とは何か?

    デザイン思考とは、問題解決やイノベーションを生み出すことに焦点を当て、ユーザのニーズや課題を深く理解し、問題解決を目指すアプローチのことである。

    デザイン思考のプロセスは、様々な機関や企業が定義しているが、当社では、ありたい姿や方向性を明確にする「ビジョンの構想」、バックキャスティングでありたい姿までの道筋を立てる「ビジョンの実現」、ユーザに対して調査・共感し、問題・課題を発見していく「調査・発見・共感」、発見した問題や課題から、潜在ニーズやインサイトを見つける「問題定義」、定義した問題に対するアイデアを考える「創造」、そのアイデアを具現化し、実際に試してもらい、フィードバックを得る「実現・プロトタイプ・テスト」の6ステップを、様々なメンバーの協力を得ながら進めていく。もっと詳しくデザイン思考を理解したいという方向けにデザイン思考の基礎講座がYouTubeにある。是非そちらもご覧いただきたい。

    デザイン思考が必要となってきた背景

    従来の製品やサービスの開発では、技術や製品の特徴に焦点を当て開発されることが一般的だった。しかし、市場が急速に変化し、競争が激化する現代においては、ユーザのニーズや課題に焦点を当てることが重要視されるようになってきた。そのため、ユーザに着目するデザイン思考のアプローチは、製品やサービス開発に関わる全ての人にとって、有用な考え方として認知されるようになってきた。

    デザイン思考とUXデザイン

    研修受講者から「デザイン思考」と「UXデザイン」にはどのような違いがあるのか?という質問いただくことがあるので、ここで簡単に解説する。

    デザイン思考は0→1
    「0→1」は、新しいアイデアや解決策を生み出すプロセスを指す。デザイン思考は問題の再定義やユーザーの視点を理解するための手法であり、新しいアイデアやコンセプトを創造的に導き出す段階にフォーカスする。

    UXデザインは1→10
    「1→10」は、デザインの具現化や最適化の段階を指す。UXデザインは、デザイン思考で生み出されたアイデアを実際の製品やサービスに具体化し、ユーザ体験を最高のものにするために工夫する段階に焦点を当てる。デザイン思考は新しいアイデアや解決策を生み出したり、問題を再定義する初期の段階で用いられ、実装や最適化に進む段階でUXデザインが用いられる。デザイン思考とUXデザインは相補関係があるということをご理解いただければと思う。

    研修を通じて学ぶもの

    デザイン思考は、時折「アイディアを生み出すための理論」であったり、「斬新なアイディアを生み出せる手法」と捉えられることがあるがそうではない。建築家のピーター・ロウは、デザイン思考を「人間中心デザインに基づいたイノベーションを起こすための発想法」である定義した。

    デザイン思考には重要ポイントが4つある。1つ目が、人間中心で人の気持ちを理解することが重要である点。2つ目が、イノベーション(新しい満足を生み出したり、新しい価値をもたらすもの)は、今あるものを組み合わせたり、改善したりすることでも可能という点。3つ目は、デザイナーの普段の考え方や行動を言語化したもので、デザイナーではない方が気軽に実践できるようになっている点。4つ目は、デザイナーのマインドや考え方、行動に着目し、そのマインドを実際の行動に移すということが大事であるという点。この重要なポイントを、実践を通じて理解してほしい、そういった想いを持って、TDCソフトでは「デザイン思考実践研修」を提供している。

    研修の流れ

    当研修は、3日間の研修であり、その大半がワークショップ形式での実践となっている。

    ポイント① 実践力に直結するワークショップ

    特に実践を意識しているカリキュラムが、1日目の調査と、2日目の問題定義である。この2つのプロセスでは、固定概念を振り払い、初心者になって、好奇心を持って色々な角度、視点を切り替えつつ、情報を深掘っていく必要がある。また、チーム内で話し合うだけでは机上の空論となってしまうため、誰かに聞いてみる、ユーザがいる場所に行ってみる、観察してみるなど実践することが重要なポイントである。

    調査について

    調査というと、アンケートなどから得た多くの情報から統計的な傾向やパターンを見つけ、ユーザに対する気づきや発見を得る「量的調査(幅広さ)」をイメージする方が多いが、デザイン思考では、ターゲットの潜在ニーズやインサイトに繋がる気付きを得るための、質的調査(深さ)に重きを置いている。

    当研修のワークでも、質的調査をチームで実施いただく。まずは仮説を立て、調査計画を立案する。その後、フィールドワークとして、行動観察調査やデプスインタビューを実施する流れとなっている。デプスインタビューを初めて実践してみると、表面的な情報だけ聞いてしまい、ユーザの潜在ニーズやインサイトにつながる気付きを得られないことがある。初心者における失敗談は当社のYoutubeでも公開されているので是非ご確認いただきたい。

    調査の流れは、必要なマインドを説明し、調査計画をチームで作成。インタビューの練習を経て実際のインタビューを実施する。これらのプロセスは当社の調査業務でも同様に行っている。各作業のファシリテーションを講師が行うため、初めての方でも、調査の流れをしっかりと身に付けられるカリキュラムとなっている。

    問題定義について

    問題定義の最大の目的は、ユーザ自身が気づいていない潜在ニーズやインサイトを発見することにある。そのために、調査で得た情報から重要なポイントを選び、そのポイントを深掘り、他の情報と繋げ、その関係性を解釈することで意味を見出し、潜在ニーズやインサイトを見つけていく。当研修のワークでは、問題定義に半日以上時間を使う。はしごツリーというフレームワークを使い、抽象化(なぜ?)と具体化(どのように?)を繰り返し、チームメンバと意見を交えつつ、深掘りを行っていく。

    開始してしばらくすると、ユーザの事を深く考えすぎて脳が疲労し、新たな視点や角度が徐々に尽きてしまったり、安易な言葉でまとめてしまい、どこかで聞いたことのあるインサイトしか出てこない状態に陥るチームが出てくる。行き詰まったチームがあった場合は、講師が話し合いの論点を整理し、適切な問いかけを行い、新たな気付きを得られるようなファシリテートを行う。

    受講者からも「こんなにユーザの事を考えたのは初めてかも」、「いままで気づくことのできなかったインサイトを見つけることができた」という声をいただくが、当研修では、実際のプロジェクトで活かせるレベルのユーザに対する深堀り、即ち調査の実践をカリキュラムとして、取入れている。

    ポイント➁ 失敗や誤りを恐れない!探索型アプローチの重要性を知る

    「探索型アプローチ」とは、正解がわからないが故に、限られた時間の中で、既存の知識や定型的な手法に頼らず、新たなアイディアや解決策を探索的に見つけ出すためのアプローチ方法のことである。当研修では、3日間のカリキュラムの中で、仮説を立ててプロトタイプを作成・検証をし評価する。

    また、限られた時間のなかで、アウトプットを出す必要があり、完成度に不安に感じる受講者も多い。しかし、そういったことを問題と受け止めたり悲観的になりすぎる必要はないと講義の中では説明する。実際にワークショップの中で、何度も試行錯誤し、失敗から気付きを得て、従来アプローチでは見過ごしていた発見や、講師側もハッとさせられる新たな視点に気付くことができる。

    さらに、異なるバックグラウンドやスキルを持つチームの仲間たちとのディスカッションも非常に有効で、異なる視点から同じ問題にアプローチすることで、予想外のアイディアや発想が生まれることに気付ける。研修を通して、探索型アプローチの優位性を理解し、実践で得た経験は、今後の仕事やプロジェクトにおいても、必ず活きる。

    研修受講者の声

    数日間にわたる研修ではあるが、最後には充実した体験だったという受講者が非常に多い。また「知識だけ身に付けても意味はない。すぐに実践に移したい」という、声をいただいた。

    受講者からのアンケート結果を一部紹介する。

    TDCソフトでは、参加者=ユーザの声に耳を傾け、受講者が本番で活かせるような研修となるよう、カイゼンを続けている。デザイン関連研修は「デザイン思考実践研修」の他にも、UXデザインやUIデザインに関する研修も提供している。また、アジャイルやセキュリティ分野の研修もラインナップしている。

    ご興味・関心をお持ちの方は、ぜひ、お問い合わせいただきたい。お問い合わせは以下のボタンから。

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