ユーザの声を聞き、サービスを進化させる
TDCソフトでは、様々なUXデザイン関連研修を提供している。今回は、実践を通じて学ぶ「ユーザビリティテスト研修」を紹介する。この研修では、ユーザビリティテストの基本的な概念を学んだうえで、実際のWebサイトやアプリケーションを使用し、参加者がワークショップの中でテストを経験することで、実践的なテクニックまで学ぶ研修となっている。
ユーザビリティテストとは製品やサービスのリリース前/後に実施するものであり、ユーザがサービスをどのように利用し、感じるかを記録・観察しすることでユーザビリティの新たな問題や改善点を見つけ出すテストである。
ヒューリスティック評価との違いは何か?
ユーザビリティの問題を発見するテストとして、この他にヒューリスティック評価というものがある。ヒューリスティック評価は専門家がユーザビリティの一般的な原則やベストプラクティスに基づいて、設計やインターフェースを評価するものとなっている。ヒューリスティック評価で、明らかな問題を洗い出し改善した後、ユーザビリティテストをすることを推奨する。ユーザビリティテストとヒューリスティック評価の違いは、以下の通りである。
当たり前のことではあるが、システムや製品、サービスを作り、市場にリリースする前には、ユーザのニーズを満たすものとなっているか、ユーザフレンドリーで使いやすく、ストレスなく目的を達成できるものとなっているか、しっかりと評価しなければならない。万が一評価の仕方が不十分で、ユーザビリティに関する重大な欠陥を見逃しリリースした場合、ユーザは製品やサービスに不満を感じたり、利用しなくなってしまう。こういった状況を防ぐため、ユーザがどんな状況で、どのように行動し、何を考えるかを理解し、ユーザビリティの問題点を事前に改善することが重要である。
事前にユーザからの評価を得る方法や、ユーザビリティ関する正しい知識を得てほしい、そういった想いを持って、TDCソフトでは「ユーザビリティテスト研修」を提供している。
本研修のカリキュラムは、講義1時間、ワークショップ3.5時間となっており、実践を通じ理解を深め、受講者たちは、ユーザビリティの問題の発見速度や質を高めることができるようになる研修となっている。
ユーザビリティテストで最も躓きやすいポイントとしてあげられるのが、ユーザ視点で徹底的に考えなければならない「タスク設計」である。タスクとは、ユーザが製品やウェブサイトで達成したい目的までの行動のことを言う。ユーザビリティテストではユーザにタスクを伝えて、タスク実施中の行動を観察する。そのためテスト対象者に正確にタスクを伝える必要がある。タスクの品質が悪いと、ユーザがテスト中に躓いてしまったり、現実の利用状況を十分に反映できず、意味のある問題点を見つけ出すことが難しくなる。タスク設計ではユーザ視点を重視し、具体的なユーザの立場に立って「なぜこの製品やウェブサイトを使うのか」「どのような目標を達成しようとしているのか」といった視点を取り入れる必要がある。そのためには、提供者の視点を捨て、ユーザ視点を最優先に考え、実際の利用シナリオに即した具体的でリアルなユーザの行動パターンに基づいたタスクを提供することが必要だ。
当研修では、講師がファシリテートしながら受講者がタスク設計を行うため、誤りに早期に気づくことできる。また実際に挙げたタスクをプレテストという形で事前テストすることで、ユーザがタスクを遂行できるか検証を行うカリキュラムとなっている。この研修で学んだ方法を、本番の場で活用いただくことで、タスク設計における問題発見と改善に自然と取り組めるようになり、価値のあるテスト結果を引き出すことができる仕組みとなっている。
当研修の2つ目の特長は、「ユーザ視点の大切さに気付ける」という点である。設計したタスクで正しくテストできるかを検証するため、受講者の中から被験者を募りプレテストを実施する。プレテストを実施することにより、自分たちが設計したタスクの中でユーザが躓きそうなところや、わかりにくい部分を発見できる。プレテスト実施後には、ユーザが実施できるよう、タスクの改善を行うが、その中でユーザ視点の大切さをあらためて実感できるようになっている。
また、テストをユーザが実施すると、改善したはずのシナリオでもユーザが疑問を抱いたり、躓いてしまうことが発生する。受講者は自身の仮説が実際のユーザとどれほど乖離しているのかを目の当たりにし、ユーザ視点の大切さをさらに知ることとなる。この経験は机上ではなく、実際にワークショップを通して体験してみないと得ることが難しい。受講後アンケートで多くの受講者から「ユーザ視点がどれだけ欠けていたかに気付くきっかけとなった。」とコメントを頂くが、受講者1人1人が実践を経てこの重要性に気付くことができた結果だと考えている。
このように、TDCソフトでは、ユーザの実際の行動や反応から発見した問題に取り組むことの重要さを、改めて学ぶことができる実践的な研修となるよう、研修の設計を行っている。
半日の研修ではあるが、「テストだけでなく、作っている最中にもユーザの姿を考えるようになった」という受講者が非常に多い。受講者からのアンケート結果を一部紹介する。
TDCソフトでは、参加者=ユーザの声に耳を傾け、受講者が本番で活かせるような研修となるよう、カイゼンを続けている。UXデザイン関連研修は「ユーザビリティテスト研修」の他にも、プロセスや領域毎の研修を提供している。また、UXデザイン以外ではアジャイルやセキュリティ分野の研修もラインナップしている。
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