2024.01.11

DXへの扉を開こう!Miroで実践するアジャイル開発の成功戦略 イベントレポート

本ウェビナーでは、DXの現状からアジャイル成功のための3つのポイントを現場の声を交えつつ認定スクラムマスターの小野、池田から紹介しました。100名以上が参加するほどの大盛況となり、最後のQAコーナーでは特に多くの質問をいただき、イベント終了の時間まで質問への回答が続くという非常に勢いのあるイベントとなりました。

記事後半では、アーカイブ動画へのURLを掲載しておりますので、興味を惹かれました方は是非そちらをご覧ください。

イベント情報

主催者ミロ・ジャパン合同会社
イベント名DXへの扉を開こう!Miroで実践するアジャイル開発の成功戦略
開催日時2023/12/08(金) 13:00 ~ 14:30(90分)
こんな方に
オススメ
・DXを推進できるメンバーを育成したい
・アジャイル開発の実践の様子を知りたい
・組織がアジャイルになるプロセスや効能を知りたい
・プロダクト開発の内製化を検討している
・Miroをプロダクト開発で活用したい
・Miroの導入を検討している

イベントの流れ

・イノベーションワークスペース+AIであるMiro
・自己紹介
・DXの現状とアジャイルの普及率
・アジャイル、スクラムとは
・アジャイルの成功戦略3つのポイント
・アジャイルを実践した企業の感想
・参加者からの質問と回答

講師情報

イベントハイライト

✅Miroはオンラインホワイトボードから始まり『イノベーションワークスペース+AI』と製品を再定義し、進化している
✅Miroは世界で6000万人に使用され、日本では200万人の方に使用されている
✅日本企業ではDXの取り組みが進んできてはいるが、その成果はまだ十分に出ていない
✅従来型の綿密に計画を立て遂行する方法ではDXの実現は難しく、アジャイルな取り組みが必要
✅アジャイル成功戦略には3つのポイントがある
 1.チームと関係者全体でプロダクト開発における共有認識を作る
 2.チーム状況に合わせたふりかえりを実践し、効果のあるカイゼンサイクルを回す
 3.フィードバックを無駄にしない
✅アジャイル実践で、仮説検証のスピードが上がった。コラボレーションの文化が生まれた

イベントレポート

イノベーションワークスペース+AIであるMiro

ミロ・ジャパン合同会社 丸山 渉 氏

以下、ミロ・ジャパン合同会社 丸山 渉 氏 による講演

2011年よりコラボレーションのパイオニアであるMiroは進化を継続している。ホワイトボードから始まり、現在はイノベーションワークスペース+AIとして製品を再定義し、AIにより付箋をまとめたり、マインドマップを自動生成したり、プレゼンテーションを自動生成出来るようになった。Miroは時代に合わせて製品を再定義しながら進んできている。

チームのノウハウを「集約」「可視化」「共有」する場所としてMiroを活用していただきたいと考えている。今回のイベントではこういう風に使えるのか。うちだったらこう使えるな。といった、イメージを想起していただければと思う。

世界で最もイノベーションを起こしている会社でもMiroが活用されており、世界で6000万人、日本では200万人の方が使用している。振り返ったときにあの時に大変だったが、これがあることですごく便利になった。ということがイノベーションだと私は考えており、私たちMiroもそんなイノベーションが起こせると考えている。

DXの現状とアジャイルの普及率

TDCソフト株式会社 小野 雅駿
TDCソフト株式会社 池田 響

以下、TDCソフト株式会社 小野 雅駿、池田 響 による講演

DXとは、経済産業省「デジタルガバナンスコード2.0」で定義されているが、一言で表すなら「デジタル活用で顧客のニーズを元にサービスやビジネスを変革すること」。
DX白書2023(IPAが公開)では、日本企業におけるDXの取り組み自体は進んできているものの、その成果はまだ十分に出ているわけでは無いという調査結果がある。

DXは、ニーズの不確実性が高く、技術の適用可能性もわからない、予測困難な状況下において推進することが求められている。そのため、当初定めた綿密な計画を単に実行に移せばよいということではなく、状況に応じて柔軟かつ迅速に対応していくことが必要となる。そのような状況に対応するDXの実現手段として、アジャイルな取り組みが求められている。

しかし、アジャイルもまだ十分に取り入れられているとは言い難い状況。具体的には、IT部門では49%、それ以外の部門では35%を下回るような状況だ。実際に私たちが担当する現場のお客様からも、アジャイルの実践に関するお悩みの声を聞くことがある。

アジャイル、スクラムとは

アジャイルは何故難しいのか。それは、単なる手法ではなくマインドセットだからだ。
アジャイルでは、「Don’t just do Agile, be agile. (アジャイルをやるだけではなく、アジャイルになろう)」という説明の通り、成功させるためにはアジャイルな考え方(マインドセット)に沿ってプロジェクトを進める必要がある。

今回はアジャイルで一番使われているフレームワークである「スクラム」を中心に話を進めていく。スクラムでは、『経験主義』が非常に重要なマインドセットとなっており、『経験主義』は透明性、検査、適用の3本の柱で成り立っている。

<経験主義3本の柱>
①透明性:透明性を持ってチームの状況や変化を可視化する
②検査 :①を元にゴールを向かっていくために何をしていけばいいかを検査する
③適用 :②の結果をチームやプロダクトへ適用していく

この『経験主義』があるスクラムになっているかどうかが、アジャイルを成功させるためのカギとなってくる。私たちは『経験主義』を実現させることを重用視しており、実現させるためのツールとしてMiroは有効だと感じている。

アジャイルの成功戦略3つのポイント


ポイント1:
■チームと関係者全体でプロダクト開発における共有認識を作る
スプリント0というフェーズを設け、共通認識を作っていく。共通認識を作成するのに大切な要素は3つ存在する。

1.プロダクトを通じて提供したい価値やチームとしてありたい姿を共に作り共有する
2.プロダクトゴールを常に意識した状態でプロダクトバックログを構成する
3.チームと関係者に共有してどんな時でも全員が同じ方向を向き続けられるようにする

ポイント2:
■チーム状況に合わせたふりかえりを実践し、効果のあるカイゼンサイクルを回す
ふりかえり(レトロスペクティブ)のイベント。効果のあるカイゼンを行うために大切な要素は2つ存在する。

1.チームの状況に合わせたふりかえりを選択する
2.過去のふりかえりを可視化し、チームとしての成長を実感させる

ポイント3:
■フィードバックを無駄にしない
スプリントレビューのイベント。作成したものをステークホルダーやユーザーからのフィードバックを貰う場。フィードバックを無駄にしないためにMiroを活用する理由が大きく2つ存在する。

1.複数人で同時にフィードバックを残すことができる
2.付箋→バックログアイテムへの変換が簡単

アジャイルを実践した企業の感想

・チーム全体で要件や方針の認識合わせが随時行え、仮説検証のスピードが上がった。
 (金融サービス業A社 スクラムチーム プロダクトオーナー)

・チーム全体のゴールが可視化され、コラボレーションの文化が生まれたことで、ゴールを達成するためにどうすればいいかを考える意識が定着した。結果、素晴らしいプロダクトが提供出来たと思う。
 (エネルギー系企業B社 スクラムチーム プロダクトオーナー)

・アジャイルの経験はなかったがまずは1チームから小さく始めて、その後チームをスケールすることが出来た。
 (エネルギー系企業C社 プロジェクト担当者)

参加者からの質問と回答(一部抜粋)

Q.今までアジャイルをやっていて、一番つまずいた問題や課題は何か
A.チームとしてプロダクトを提供する上で、共有認識を取れないまま進めることが問題になりがち。スクラムであれば、スプリント0で共通認識を作ることが重要。(TDCソフト:小野)

Q.Miro以外にも似たようなオンラインホワイトボードは存在する。その中からMiroを選んだ理由は何か
A.自由度がどれだけ高いかを重要視していた。ツール側の制約で表現が制限されることは避けた。その点、Miroは直感的に操作や表現が出来て機能も多く、今でも使っていて便利な機能に気付いたりもする。(TDCソフト:小野)

Q.過去のMiroボードはどのように管理しているのか。去年のあの話はどんなことを話していたか。となった場合は、どのように探すのか
A.各ボードの一覧をまとめたサイトマップとなるボードを作成し、そこへアーカイブとして残すことはしている。古いものは年度単位に固めて残したりもする。検索機能もあるため、その機能を利用して検索することも可能。(TDCソフト:池田)

Q.アジャイルをクライアントと共同するときに意識したポイントはあるか。クライアントをどうやってアジャイルへ巻き込んでいったのかが知りたい。
A.クライアントがどれだけアジャイルの本質を理解しているかを意識するようにしている。理解度によってはアジャイルでやることの必要性から説明したり、チームや組織のビジョン、プロダクト提供のゴールの認識を合わせるようにしている。(TDCソフト:小野)

その他、たくさんのご質問にお答えしておりますので、ウェビナーからご覧ください。

イベント参加者の声

イベントへ当日参加頂いた方からは以下のような内容のコメントが寄せられております。

・俯瞰した体系的な話から、実践に繋がることが語られており、勉強になった
・掴みどころがないアジャイルについて、具体的なイメージを持つことが出来た
・Miroを活用したウェビナーは、聴衆参加型で進められるので素晴らしい
・明るい雰囲気で楽しく拝聴できた
・IT系ではない業務に携わっているが、参考になる内容だった
・アジャイルというと手法に目が行きがちですが、マインドセットを重視した説明に共感を覚えた
・ウェビナー内で紹介された振り返りテンプレートが欲しい!

イベント動画のアーカイブ配信

イベント当日の動画はMiro Japan様の公式YouTube上で公開されています。
楽しいイベントとなっておりますので、是非ご視聴ください。

https://www.youtube.com/watch?v=dOXzojMVOBQ

2月2日にアジャイル・スクラムを体験できるワークショップを開催!

TDCソフトでは、アジャイルのフレームワークであるスクラムを学べる
ワークショップを開催します!

概要
・2024年2月2日(金)14:30~17:30
・場所はTDCソフト本社ビル(@九段下)
・参加費無料

参加メリット
・スクラムのプロセスが体験できます
・アジャイルのマインドに触れられます
・非エンジニアの方でも参加できる内容です
・夜の部では参加者同志の交流会も予定しています

先着20名と参加数に制限がございますので、早めにお申込みください!

個別無料相談会開催中!

本ワークショップで講師を務めた小野が開催するアジャイルの相談会です。
チーム立ち上げやアジャイルの実践で発生した課題やお悩みについてヒアリングし、解決策をご提案・ご紹介させて頂きます。

アジャイル

関連記事