2024.01.26

アジャイルを成功に導く8つの準備

インセプションデッキの作り方

アジャイルを成功させるために

アジャイルでの開発を成功に導くために、開発を始める前にチーム全体で価値提供のサイクルを回し続けるための準備を行っておくことが重要です。
なぜそのような準備が必要になってくるのでしょうか?

現代はVUCAという言葉にも表されるように変化が激しく、先の見通せない時代です。また、デジタルデバイスを所持するのが当たり前になり、世の中にモノやサービスがありふれている時代でもあります。
そんな時代でユーザーにとっての価値を生み出すためには、ビジネス側の人がアイデアを考え、そのアイデアを実現するプロダクトを開発側が指示通り作るといった方法では実現することができなくなってきました。
昨今ではビジネス側と開発側が一緒になって、自分たちが達成すべき目的・ゴールに向けて自分たち自身で何をすべきか考え、行動することが求められるようになっており、そのようなチームを自己組織化されたチームと言います。

初めから自己組織化されたチームを作ることはできませんが、何も準備無しに自己組織化されたチームを作りだすことは不可能です。自己組織化されたチームで価値を提供し続けるためには、開発を始める前に準備をしっかり行う必要があるのです。

自己組織化されたチームを作るための準備として以下の8つがあげられます。

  1. チームアライアンス
  2. インセプションデッキ
  3. プロダクトゴール
  4. プロダクトバックログ
  5. ロードマップ
  6. 完成の定義
  7. ワーキングアグリーメント
  8. DevOps

この記事ではその内の一つである「インセプションデッキ」についてご紹介します。

目次

    インセプションデッキとは?

    インセプションデッキとは、チームがゴールとその背景を明確にして共通認識を図るために用意された11の質問からなるものです。

    1. 我々はなぜここにいるのか?
    2. エレベータピッチ
    3. パッケージデザイン
    4. やらないことリスト
    5. ご近所さんを探せ
    6. 技術的な解決案
    7. 夜も眠れなくなるような問題は何だろう?
    8. 俺たちのAチーム
    9. 期間を見極める
    10. 何を諦めるかはっきりさせる(トレードオフ・スライダー)
    11. 何がどれだけ必要か

    チームでイメージを共有することで成功に繋がると言われており、インセプションデッキはその一助となります。チーム全員で話し合いながら11の質問への回答を作成していくことで、共通認識を図ることができます。

    前回作成したチームアライアンスはチームの状態として進んでいく上で迷ったときの指針になります。それに対し、インセプションデッキはプロジェクトやチームが開発を進める上で迷ったときの指針になります。

    なぜインセプションデッキが必要なのか?

    プロジェクトにおいて、チームメンバー全員が同じイメージを抱くことは重要です。
    インセプションデッキを作成していない場合、各チームメンバーが抱いているイメージがずれていることがあります。新たな機能を考える際、それぞれ思い描くコンセプトに基づいて考えてしまうと統一感がなくなり、ちぐはぐなものになってしまいます。
    インセプションデッキを作成していると、達成したいことの背景の問題点や解決したいことを明らかにするので、チームメンバー間で認識の差異が出ず、統一感を出すことができます。

    このようにインセプションデッキがなければ、共通認識を図る機会を失ってしまい、チームメンバーがそれぞれ別々の方針のもと進めていても気づかないこともあります。その点、インセプションデッキを作ると、チーム全員で話し合い、齟齬をなくす機会を得ることができ、同じイメージを抱くことができます。チームで共通認識を図るためにインセプションデッキは必要です。

    インセプションデッキはいつ用意するのか?

    ベストなのはチームが立ち上がった際に実施するのが良いでしょう。チームとして開発などの実作業が始まる前に実施することでチームとして目指す先を共有した上で動き出すことができます。スクラムチームであれば、スプリント0がそのタイミングにあたります。

    インセプションデッキを用意することのメリット

    アジャイルなチームにインセプションデッキを用意することで次のようなメリットが期待できます。

    チームのゴールとその背景を知ることができる
    11の質問のうち、1問目の”我々はなぜここにいるのか?”では、ターゲットやチームのゴールに至った背景等を話し合います。漠然とただチームのゴールを達成しようとするよりも、その背景も含めて理解していた方がチームのモチベーションにも繋がります。

    チームとして何か判断を迫られたとき、何を重視すべきか確認できる
    チームで作業を進めていく中で何か決断を迫られたときに、インセプションデッキで可視化した優先順位を確認して、決断をすることができます。さらに、インセプションデッキではトレードオフ・スライダーの他にやらないことリストも定めているので、やるべきかどうかも簡単に判断することができます。

    チームや各チームメンバーに何を期待されていることを知ることができる
    チーム内だけでなくチーム外に関わる人たちを明らかにし、チーム外の人たちと連携を取りやすくできます。さらに、チームメンバーの役割やその役割に期待することを整理できます。

    定期的に共通認識を図ることができる
    共通認識を図ることはプロジェクトを成功させるために重要です。インセプションデッキは定期的にチーム全員で確認して見直し修正する必要があります。定期的な確認及び修正を通して、都度チームの共通認識を図ることができ、さらにチームワークを向上させることもできます。

    インセプションデッキの作り方

    実際どのようにインセプションデッキを作っていけばよいかはお役立ち資料の中で紹介しておりますので、ご活用ください!

    アジャイル
    お役立ち資料

    関連記事

    error: Content is protected !!