2024.04.09

価値創造社会を楽しむための

「アジャイル・スクラム体験」ワークショップ
イベントレポート

2024/2/2(金)、アジャイル・スクラムに興味がある方や、体験をしたことがない方に向け、アジャイル・スクラムを実際に体験し、より理解を深めてもらうことを目的としたワークショップを開催しました。ワークショップでは、システム開発以外の内容を題材にすることで、普段システム開発に携わらない方も対象としています。
本記事では、その様子をレポートします。

ワークショップ概要

価値創造社会を楽しむための「アジャイル・スクラム体験」ワークショップ

日時 :2024/2/2(金) 14:30 ~ 17:30
主催者:TDCソフト株式会社

■こんな方にオススメ
✅アジャイルやスクラムについては座学等で学習したが、実際の体験をしたことが無い方
✅ご自身のチーム、プロジェクト、組織にアジャイル・スクラムを導入するにあたって、スクラムのプロセスを体験してみたい方
✅アジャイル、スクラムについて言葉を聞いたことがあり興味がある方
✅アジャイルマインドに触れてみたい方

講師紹介

講師はMiroイベントでも登壇した、認定スクラムマスターの小野 雅駿が務めました。

デジタルテクノロジー本部 アジャイルプロフェッショナルサービス部
Certified ScrumMaster® 小野 雅駿

スクラムマスター、アジャイルコーチとして多数のプロジェクトを経験。プロジェクトに加え、スクラム研修講師やワークショップを通してチームがアジャイルになるための支援を続ける。ふりかえりの楽しさと効果をより多くの人に体感してもらうため、ふりかえりエバンジェリストとして活動中。

イベントレポート

講義部分ではアジャイル・スクラムに関する座学を行い、ワーク部分ではワークショップ形式でアジャイルを体験していく流れで進行しました。アジャイル・スクラムについての講義部分では、以下の説明を行いました。

1.アジャイル・スクラムについて

今後何が起こるか分からない変化の激しい現代に従来通りのプロダクト創出を行っていては、VUCAな時代を生き残ることが難しくなる。変化の激しい現代に対応するには、あらゆる変化に対応出来るプロダクト創出方法が必要。変化に対応し、変化を受け入れつつ、ユーザーにとって価値となるモノを提供するやり方を取る方法がアジャイルだ。

アジャイルは単なる手法、方法ではなく、変化に対応し価値を提供し続けるために必要な考え方やマインドセットが伴っていないと成功させることができない。
これまで重要だと考えられてきた事柄にも価値があると認めつつも、より重要な事柄を定義したものが アジャイルソフトウェア開発宣言 だが、おそらく多くの事業領域でこの考えた方は理解されているのではないか。
ソフトウェア開発宣言はマインドセットの部分となる。それらを実現する上で望ましい原則。つまり、根本的な取組に対する姿勢やあるべき姿勢は アジャイル宣言の背後にある原則 で定義がされている。
また、アジャイルソフトウェア開発宣言については、原則も含め、IPA(独立行政法人情報処理推進機構)が分かりやすく 解説 をしている。 アジャイルな考え方を持ち、アジャイルな取り組みをすることがアジャイルであり、プロセスだけではなかなかうまくいかないので注意が必要だ。

そんなアジャイルを実現するために様々なフレームワークが存在する。
・スクラム
・XP
・SAFe
・Crystal
・Disciplined Agile Framework
・Large Scale Scrum
・Nexus
・Scrum of Scrums

その中でも「スクラム」はアジャイル実践の中で最も使われているフレームワークだ。ソフトウェア開発の領域で多く使われてきたが、最近ではその領域を超えて様々なドメインで利用されるようになった。具体的にはマーケティング、営業、TDCソフトの社内では社内委員会活動にも活用されている。

スクラムでは、スクラムガイドが存在しており、ガイドにしたがい”とりあえず始める”ことは可能だ。しかし、アジャイルなマインドに沿ってアジャイルにスクラムを実践していくには、時間と経験が必要となる。また、スクラムチームでは、チームの外部から指示されるのではなく、プロダクトゴールを達成する最善の方法(Why/How/What)を決定する自律性を持つチームが自己管理型チーム作りが必要だ。

2.スクラム体験ワークショップ

アジャイル・スクラムを体験するワーク部分では、4、5名のチームを組み、与えられたゴールを達成するためにスクラムを活用し、アジャイルを体験する流れで行いました。

まず、小野より「3m以上飛行する、紙飛行機を沢山製造する。」というゴールが与えられ、紙を丸めたボールではなく、飛行機の形であることなど、製造する紙飛行機の定義が行われました。
紙飛行機の作成にあたり、制限時間が設けられ、作業は、”計画”、”製造”、”検査”、”ふりかえり”の4つの工程に区切られます。この4つの工程を1セットとして、3セット分繰り返し行われます。

4つの工程では、具体的に以下の作業を行います。
※()カッコ内はスクラムでの呼称

①計画(スプリントプランニング):
時間内に3m以上飛行する紙飛行機が何機製造できるかの目標を設定する。製造に必要な工程(タスク)をチーム内で検討する。

②製造:
計画で立てた工程を実施し、紙飛行機を製造する。

③検査(スプリントレビュー):
紙飛行機を飛ばし、実際に3m以上飛行するかを検査する。

④ふりかえり(レトロスペクティブ):
①~③の各工程をふりかえり、カイゼンアイディアを出し、次の1セット(スプリント)で実践する。

各チーム、スプリントを回すにつれてチームとしてのパフォーマンスが目に見えて向上し、検査の場では、3m以上飛行するかを会場全体が見守り、他チームの結果に歓声が上がるなど、会場一体となる盛り上がりを見せました。

チーム名スプリント1スプリント2最終スプリント
チームA目標:4機
結果:1機
目標:21機
結果:13機
目標:24機
結果:26機
チームB目標:5機
結果:3機
目標:16機
結果:17機
目標:20機
結果:21機
スプリントを繰り返す毎に目標と結果のギャップが減り、生産数が増加

また、スプリントを追うごとに、より建設的な会話が行われ、意見交換も活発に進められていきました。「どうすれば、プロダクトゴールを達成する紙飛行機を効率よく生産できるのか。」その検討がチーム全体で進められる姿は、客観的に見ていて、今日結成したばかりのはずのチームが、その道の(紙飛行機制作の)プロフェッショナル集団として目に映ったことが驚きでした。

こうして会場が盛り上がる中、最後に小野より今回のワークショップのふりかえりの言葉が述べられ、ワークショップは終了しました。

参加者からの声

イベント参加した方から以下のようなコメントを頂戴しております。

・スクラムのプロセスが体験でき、とても有意義な時間となりました。
・実践する機会が無かったため、実際に経験できてよかった。
・アジャイルのマインド部分に関する理解が進んだ。

スクラム研修サービスのご案内

TDCソフトでは、実践経験豊富なメンバーを講師とした、スクラム教育のための研修プログラムを用意しています。今回のイベントのような、スクラムの座学と体験が行える「基礎編」や、Webアプリ開発やスクラムガイド作成など、スクラムの理論とそれを実現するプロセスを体験し、プロジェクトで実践できる力を身につけるための「実践編」のメニューがあります。
内容が気になる方は、ぜひ、詳細をご覧ください。

使用したテクノロジー
アジャイル
実践的なノウハウやSAFe®︎などを活用し、お客様のチームやプロセスをアジャイルに変革。世相に対応し、一体感を持った、俊敏で柔軟な組織づくりを支援します。
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