2023.06.15

日本企業の「アジャイル」は間違いだらけ!?

成果につなぐプロジェクト遂行を
一気通貫で支援するアジャイルサービス

DX推進の手法として、注目を集めるようになったアジャイルソフトウェア開発。様々な企業が取り組みを進めているが、実はその成果をビジネスにつなげられている企業は多くない。特に中堅・中小企業では「何から手を付ければいいか分からない」というケースも多いようだ。この状況を脱却することが、日本企業のDXを加速するポイントになる。方法について、アジャイルソフトウェア開発に強みを持つソリューションベンダー、TDCソフトに聞いた。

アジャイルは「やる」ものではなく「なる」もの

TDCソフト株式会社 デジタルテクノロジー本部
アジャイル&マイクロサービス統括部
アジャイルプロフェッショナルサービス部
担当部長 黒田 徹 氏

 なぜ、多くの日本企業がアジャイルソフトウェア開発の効果を引き出せていないのか――。これについてTDCソフトの黒田 徹氏は、「アジャイルという言葉の意味を取り違えてしまっていることが、大きな要因だと思います」と指摘する。

 TDCソフトは、1962年の創業以来、数々の企業システムの構築を手掛けてきたソリューションベンダーである。「世の中をもっとSmartに」をコンセプトに、顧客の課題解決はもちろん、課題自体を見つけ出すことにも強みを持っている。その一環として近年、力を入れているのがアジャイル支援だ。これまで多くの日本企業のアジャイル化とDX推進をサポートしてきたという。

 「そもそもアジャイルとは『やる』ものではなく、『なる』もの。変化の激しい時代、組織が生き残るために必要な企業文化でありマインドセットです。しかし、多くの組織が、アジャイルを表面的なITツールの利活用だと考えてしまっています。そのため、『なぜかうまくいかない』『実証実験だけを繰り返して終わってしまう』という状況が生まれているのです」(黒田氏)

 また、アジャイルがバズワード的に広まった現在は、経営トップの命を受けてアジャイルソフトウェア開発に取り組む企業も増えている。実際に開発に携わるメンバーが腹落ちしないままプロジェクトをスタートしても、成果が生み出せないことは明白だ。中には、ウォーターフォール型開発のプロセスを縮めただけの、“なんちゃってアジャイル”も散見されるという。

マインド獲得から、開発、継続的な運用までを一気通貫で支援

それでは、どうすればアジャイルに「なる」ことができるのか。ポイントをまとめたのが図1だ。

図1 アジャイルに「なる」ためのポイント
グローバルのアジャイルカンファレンスで発表された「モダンアジャイル」の考え方。
これらを満たすことが成果につなぐアジャイルの前提になる。

 「人々を最高に輝かせる」「継続的に価値を届ける」「高速に実験&学習する」はアジャイルの本質を表している。同時に、「安全性を必須要件にする」ことも重要だ。なぜなら、失敗を許容する企業文化がなければ、アジャイルに不可欠なトライアル&エラーは促進できないからだ。社員が躊躇なく新しいことに挑戦できる企業文化/マインドセットづくりこそが、アジャイルといえるのである。

 ただし、これらを押さえるだけでプロジェクトの成功が保障されるわけではない。不慣れな企業が、いきなり独力でアジャイルプロジェクトを進めることは難しいだろう。そこでTDCソフトが提供するのが「アジャイルサービス」である。このサービスは次の3つの柱で構成されている(図2)。

図2 TDCソフトの「アジャイルサービス」
アジャイルの真の価値を引き出すために必要な支援策をトータルに提供する。
マインドセット獲得から実際の開発、人材教育まで、一気通貫でサポートできる点がTDCソフトの強みだ。

【1】コンサルティング/コーチング

TDCソフト株式会社 デジタルテクノロジー本部
アジャイル&マイクロサービス統括部
アジャイルプロフェッショナルサービス部
担当課長代理 井上 雅幸 氏

 スクラムチームの構築に向けたコンサルティングのほか、チーム構築後の進め方のコーチングなどを行う。また、プロジェクトを立ち上げる前の段階でも、顧客ごとの課題を発見して必要な取り組みをアドバイスする。「アジャイルソフトウェア開発でどのようなプロダクトをつくるべきか」といった相談にも柔軟に対応できるという。

【2】開発・運用支援

 実際のプロダクト開発、およびその後の継続的なプロダクト改善にもTDCソフトのメンバーが参画する。このように、事前のコンサルティングから開発、プロジェクトの継続的な運営まで一気通貫で支援できる点がTDCソフトの最大の強みだ。

 「当社には複数のお客様プロジェクトで経験を積んだメンバーが多数在籍しています。ときには、過去のプロジェクトで実稼働したチームをそのまま別のプロジェクトにアサインするケースもあります。これにより、開発チームのプラクティスや関係性の質をそのまま、持ち越すことを可能にしています」と同社の井上 雅幸氏は紹介する。

【3】スクラム研修

 スクラム未経験の人を対象とした研修や、スクラムの模擬プロジェクトを実施することで、知識に加え実践力獲得をサポートする研修を提供している。それらの研修を受けることで、容易にスタートラインに立てるようにするという。

 「また、このようなサービスを継続的に提供していくには、我々自身も人材育成に積極的に取り組む必要があります。そこで、そのために行っている取り組みの一例が『tech campus(テックキャンパス)』です」と黒田氏は言う。

 社内向けの自己研鑽活動として勉強会を開催するほか、外部向けのコンテンツも積極的に作成して発信している。ブログ記事やYouTubeでの動画配信などを通じて、顧客企業のアジャイルシフトも支援するという。「TDCソフトがHUBとなり、複数のお客様とアジャイルの知見を共有することで、ともにアジャイルになっていくことを目指しています」と黒田氏は続ける。

ゴールも定まらない状態から4カ月で最初のプロダクトを開発

 TDCソフトの支援のもと、多くの日本企業がアジャイルシフトを実現している。ここではそのうち2つを紹介しよう。

 1つ目はあるエネルギー事業者のケースだ。この企業は、カーボンニュートラルを推進するため、複数のエネルギー源の利用状況を可視化し、発電量や電力供給量を調整するシステムを開発したいと考えた。だが、全く新しい仕組みであることから、方針策定が難航。実証実験を行うことは決めたものの、目指すべきゴールがなかなか定まらなかったという。

 そこで相談を受けたTDCソフトはアジャイルソフトウェア開発を提案。自らもメンバーに加わったスクラムチームを編成し、プロジェクトをスタートした。わずか4カ月で最初のプロダクトを開発し、関係者に確認してもらっては改善するというアジャイルソフトウェア開発のサイクルを回した。「その中で、お客様側からやりたいことのアイデアが多数出てきました。それを精査し、絞り込んでいくことで、目指すものを形にすることができました」と井上氏は説明する。

 また、短期間で大きな成果を出したことが顧客にも評価され、スクラムチームは継続が決定。現在も同じチームが、別のプロダクトをスクラムで開発しているという。

 2つ目は顧客向けポータルサイトの構築事例だ。この企業では、老朽化したポータルサイト基盤の刷新が急務だった。当初はパッケージ製品をベースにウォーターフォール型で開発する予定だったが、それでは変化し続ける顧客ニーズに即応できないと判断。TDCソフトが提案したアジャイルソフトウェア開発が採用されたという。

 「2週間サイクルのスプリントを実施。AWSの各種サービスをフル活用しながら変化に強いシステムを構築していきました」と井上氏は語る。

 両事例に共通しているのは、アジャイルソフトウェア開発の実装を短期間で成功させていることと、プロジェクトの最初のサイクルが終了した時点で、そのまま継続することが決定していることだ。アジャイルは企業文化/マインドセットの確立が重要だという冒頭の話にある通り、TDCソフトのアジャイルサービスは、単なるシステム開発だけを目的としたものではない。顧客との強固な信頼関係を築くことで、アジャイルの真の価値を引き出すものといえるだろう。

 「最近はお客様のチームが成熟した段階でTDCソフトのメンバーが抜け、お客様内の別のチームに参加するケースも増えています。このような活動を通じて、アジャイルの文化やマインドを、より多くの人々に浸透させていければと思います」と黒田氏は強調する。

 DXを加速する上で、避けて通れない道となったアジャイルソフトウェア開発。アジャイルシフトに課題を抱える日本企業にとって、TDCソフトは背中を押してくれる強力なパートナーになるだろう。

この記事は、日経BPの許可により、2023年3月31日より「日経XTECH Special」に掲載された記事広告を転載したものです。
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使用したテクノロジー
アジャイル
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