ServiceNow コラム

多くの企業へ導入が進むServiceNow。TDCソフトでも幅広い業種のお客様からServiceNowに関するご相談をいただいています。お客様の声を聞くなかで、よくある3つのお悩みポイントについて営業担当者がわかりやすく解説します。

ServiceNow導入のお悩みとは?

TDCソフト ソリューション営業担当です。私たち営業は、金融・製造・サービス・小売・メーカー等、様々な業種のお客様を数多く担当しています。お客様とお話をしている中で、ServiceNowの注目度が日に日に高まっているのを肌で感じております。

ServiceNowはデジタルワークフローとして業務を標準化・効率化し、そしてあらゆるシステムを繋げるクラウドプラットフォームです。非効率な作業を削減し定型作業を自動化することで、働く人が本来やるべき仕事に集中できる環境を作ります。社内業務を幅広くカバーするワークフローだけでなく、他システムとの連携機能である「IntegrationHub」や、ノーコード・ローコードでアプリを開発できる「App Engine」も提供されています。

ServiceNowは、業務の標準化・効率化をスピーディーに実現する情報基盤というコンセプトに共感されるお客様も非常に多いのですが、導入検討においてお悩みを抱えているお客様も少なくありません。私自身も多くのお客様からServiceNowの導入についてご相談をいただきます。お客様の悩みを聞くと、「ServiceNowの具体的な活用イメージができない」「本当に内製化はできるのか」「どうやれば業務効率化は実現できるのか」など、導入検討にあたり様々なお悩みがあると感じています。

そこで多くのお客様との対話の中から私が感じたServiceNowに関するよくあるお悩みポイントと、それに対してアドバイスしていることを3つご紹介したいと思います。ServiceNowに限らずITツールの導入全般に当てはまるものもあります。ぜひ参考にしてください。

よくあるお悩みその1:ServiceNowを導入すれば課題を解決できる?

課題解決の手段としてどの企業でもITを導入していますが、課題のボトルネックが明確になっていなければ、ITを導入しても課題解決につながらない可能性が高いです。「IT導入=課題解決」という考えでご相談いただくケースもありますが、真の課題解決に繋げるためにはどうすればいいのか?をご紹介しましょう。

ServiceNowに限らずIT導入の前にまずやるべきなのは、課題のボトルネックを明確にして、ITツールで解決できること、解決できないことをしっかりと整理することです。その上で候補となるITツールを導入した場合に、解決した課題を解消することができるのか?、効果は見込まれるのか?を十分に検証する必要があります。

インターネットで製品情報を収集したり、画面レベルのデモンストレーションを見るだけでは、その製品が本当に課題解決に繋がるのかの見極めは難しいケースが多いです。社内のIT・事業部門やITベンダー等の社外専門家を活用し、ITツールでどこまで課題が解決できるのかを十分に検討する必要があります。
ServiceNowは幅広い課題に対応しているため、どの課題から対処すればよいのか悩むケースは多いかと思います。しっかりと課題整理するプロセスを設け、課題解決した場合の効果をシミュレーションし、効果が見込まれるものから導入を検討するというプロセスが必要です。

「課題解決」と簡単に言いますが、課題には関連するステークホルダーも多く、解決するのは本当に大変なミッションだと思います。当社のような外部ITベンダーを適切に活用し、課題を共感しながら、ServiceNowの活用方法を見い出すことが、成功への近道だと思います。

よくあるお悩みその2:ServiceNowで内製化は可能?

内製化は昨今の大きなトレンドですね。ビジネス環境の激しい変化に対応するには、ビジネスを理解する人が自社内で開発し、すぐにリリースするといったスピード感が特に重要とされています。

ServiceNowのようなローコード・ノーコード製品は、内製化に不可欠なツールです。プログラミングの高度な知識がなくてもアプリを開発できるため、開発未経験の人でも始めやすい、比較的短期間で開発できるという大きなメリットがあります。

しかし、ローコード・ノーコード製品とはいえ、ITの知識・技術が全く不要なわけではありません。ServiceNowを活用して業務課題を解決するためには、製品の基本知識だけでなくデータ構造の理解やプログラムのコーディング技術も必要なケースがありますし、開発する内容によっては高度なIT技術を必要とするケースもあります。

また、内製化を実現するための企業のリソースや制約事項は大きく異なります。「内製化するための社内リソースは確保できるのか」「ローコード・ノーコード製品をどのように習得し、実際の開発業務へ移行するのか」等、検討しなければならないことは多岐にわたり、どのように進めたらよいかわからなくなってしまうお客様もいます。

そのため私は、いきなり100%内製化するのではなく、ケースに応じて外部の専門家と役割分担することをおすすめしています。具体的な計画・手段を決めて、少しずつ内製化へシフトすることが成功の近道だからです。
最近ではどの製品でもWeb動画やトレーニングなど、学習コンテンツが充実しています。学習コンテンツを活用し、並行して外部のITベンダーからスキルトランスファーや製品のレクチャーをしてもらうとスムーズに進められます。

当社においても内製化支援のサービスを提供していますが、将来的に100%内製化を実現するために、無理のない計画をご提案しあるべき姿に向けて伴走します。

よくあるお悩みその3:ServiceNowはセキュリティ対策に活用できる?

セキュリティ対策については、必要性は理解できるものの費用対効果が見えにくく、何をどこまでやったらいいのかわからないというお客様が多いです。お客様のIT環境や業務特性は多種多様なため、私たちも一概に「このソフトウェアとハードウェアを導入すれば大丈夫です」とは言えません。

大切なのは「何を守りたいのか、守らなければいけないのか」という視点です。各部門で扱うデータは、特性によって重要度がそれぞれ異なります。守るべきデータの優先順位を付け、優先順位の高いデータに対してセキュリティ対策が弱い部分がないかを点検し、あるべき姿を検討していくという考え方です。
ServiceNowにおいても、企業の重大な課題であるセキュリティ対策の強化に活用することは可能です。ServiceNowとセキュリティ対策ツール等を組み合わせることで、セキュリティオペレーションを迅速化・効率化することができます。

例えば、他のセキュリティツールが保有している脆弱性情報と連携し、セキュリティ対処が必要な機器の洗い出し~対処すべきインシデントの優先順位付けや担当者へのアサイン、場合によっては対応が必要なオペレーションを自動で対応するといった一連のプロセスを効率化することが可能です。ServiceNowを活用することにより、セキュリティインシデント発生時にスピーディーに対応することができ、企業のセキュリティ対策強化につながります。

ServiceNowは、幅広い領域の課題に対応していますが、ITサービス管理(ITSM)の分野においては、特に優れている領域の一つです。ServiceNowのITSMはITIL(ITSMのためのベストプラクティスフレームワーク)に準拠しており、組織のサービス管理や運用の品質を向上させるという大きなメリットがあります。
このようなServiceNowの強みを活かし「IT運用業務の効率化×セキュリティオペレーション」という形で、身近なIT運用の延長線でセキュリティ対策を取り入れていくことも選択肢のひとつです。

サイバー攻撃は高度化・巧妙化しているため、セキュリティ対策は変化が激しく、かつスピードが求められる分野です。セキュリティ対策を検討する際は、社内だけでなく、外部の専門家を十分に活用し、検討することをおすすめしています。

以上、ServiceNow導入における3つのお悩みポイントをご紹介しました。当社においては、ServiceNowを活用した「内製化の推進」、「セキュリティ対策の強化」、「業務の効率化・自動化」などを中心にノウハウを保有しております。

引き続き皆様に役立つ情報を提供していきたいと思います。

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